建物の持ち分はどうやって決めるの?

建物登記の持ち分はどうやって決めたらよいのでしょうか?

建物登記の持ち分はどうやって決めたらよいのでしょうか?

わかりますか?・・・説明できますか?・・・決められますか?

基本的に建物の持ち分というのは、その建物の建築資金の出資額の割合に応じて決めることとなっています。

 

建築資金を全額借入にするのか、もしくは自己資金もいくらか含みながらトータルでいくらづつ出資するのかといったように、計画をたてることになると思います。

 

そこで慎重に検討したいのが、建築資金の出資者が複数名いる場合の「出資額の割合」です。

 

これは、その建築された建物は共有者全員の共有財産となりますので、持ち分割合を設定する際は特に注意が必要です。

 

誤った持ち分で登記をしてしまうと、やり直しがききません。登記というのは、修正が効かないのです。

 

一旦提出(申請)された登記が完了してしまった後は、簡単には修正することができません。

 

もしも誤った持ち分で登記してしまった場合には、持ち分の更正登記(権利部門の登記)をしなければならないのです。
登記内容(持ち分)を正しいものに訂正するためには、あらたに登記を行わなければならないのです。
※新たに登記を行うには、再度必要な書類を取りそろえなければなりませんし、別途費用も発生することにご注意。

 

新築建物が完成すると、税務署の方から、税金に関してのお尋ね書が送られてくるので、そこに建物出資額の割合とその根拠の提出を求められます。
またひと手間が掛かってしまいますね・・・。

 

例えば・・・3000万円の不動産を夫婦共同で購入した場合

一部住宅ローンにより購入した場合の持ち分割合

夫:500万円の現金及び1500万円の住宅ローン
妻:1000万円の現金

 

夫の出資額は、500万円+1500万円で2000万円
妻の出資額は、ずばり1000万円
そうすると建物の持ち分は
建物全体の金額は3000万円なので、夫は3分の2、妻は3分の1となります。

 

連帯債務による住宅ローンにより購入した場合

夫妻:3000万円の連帯債務による住宅ローン(夫妻の内部的契約により、住宅ローンの支払は、実質的には夫のみの場合)
夫:住宅ローン3000万円
そうすると建物の持ち分は
すべて夫の持ち分となります。

 

親からの借入れにより購入した場合の持ち分割合

夫:2000万円の現金
妻:1000万円の親からの借入金
そうすると建物の持ち分は
夫は3分の2、妻は3分の1となります。
※ただし、妻は金銭貸借に基づいて、妻自身の金銭により親に対し返済を行う必要があります。

 

返済を行わない場合は、親からの妻に対し贈与があったものとして贈与税の課税対象となってしまうので注意が必要です。

 

贈与税が課税されるケースとして・・・

購入資金の負担割合と登記した持ち分割合が異なる場合には贈与税が課税されてしまいます。

 

【実際の購入資金の内訳として】
夫:2000万円
妻:1000万円
【登記の持ち分割合】
夫:2分の1 ← ということは1500万円出資したこととして表されている
妻:2分の1 ← ということは1500万円出資したこととして表されている

 

妻の出資額の実態は、1000万円ですが登記上の持ち分からは1500万円出資したことのようになっているために、妻に差額の500万円がさらにそのうちの110万円分は控除されるので、390万円が贈与税の対象となってしまいます。
この贈与額は、一般贈与財産にあたり300万〜400万の枠から算出すると控除額が25万円、一般税率が20%となります。

 

参考例として:300万円×20%−25万円の計算より35万円が贈与税額となります。
さらに、贈与税率は累進課税となっているので、贈与する金額が多くなればそれなりに税額も増えることになりますので、より慎重にしたいものです。

 

もちろん実際の出資額のとおりに持ち分を、夫:3分の2、妻:3分の1とするならば贈与税の対象とはなりませんね

 

※持ち分の記載の仕方ですが、分母に建物建築資金全体に掛かった費用、分子に振り分けた金額を「そのままの数字」でも構いません。

 

【ちょっと豆知識!!】
住宅資金贈与の非課税借置というのをご存じですか?
結婚・子育て以上に住宅購入というのは人生で最も大きな出費のうちのひとつです。

 

父母や祖父母が子や孫へ住宅取得資金を贈与する時には非課税制度が設けられています。

 

それが「住宅取得等資金の贈与の特例」
これは、2012年に景気対策も兼ねてスタートしましたが、非課税枠が縮小され、2014年末までは一般住宅で500万円までの贈与が非課税だったのです。

 

ところが、安倍政権は2017年の消費税10%増税をにらんで非課税枠を拡大、2015年からは非課税枠が広げられました。
ただ、一旦消費増税前の駆け込み時期だけは、この非課税枠が縮小されるのですが、増税後の2016年10月〜2017年9月になると良質な住宅が3000万円、一般住宅で2500万円と大幅に拡大されるのです。

 

【国税庁からのより詳しい説明】
平成27年1月1日から平成33年12月31日までの間、父母や祖父母などの直系尊属からの贈与を受けた場合、
(自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭((住宅取得等資金))を取得した場合のこと)
一定の要件を満たすならば、非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となる制度。

 

だからといっても、住宅購入のタイミングというのは、ただ金額だけで簡単には決められないものです。
その購入者の置かれている状況が影響してきます。こういった非課税枠は是非とも上手く利用したいところです。

 



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